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無能寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

むのうじ/無能寺

福島県伊達郡桑折こおり町字上町。守一山学運院。福島教区№五一。創建は良然。無能弟子不能が師の徳を崇め、無能開山として再興した名越派の寺。もと大光山正徳寺といい、開山時期は諸説あるが、廓蓮社良然長老恵伝が元和二年(一六一六)に創建。享保一八年(一七三三)、不能は荒廃していた正徳寺の住職に任命され、この寺を無能の遺跡と定めて再興、同二〇年に無能寺に改号し、捨世寺とした。寛延三年(一七五〇)に、不能は再住し浄土律院となり、山号守一山と改号。宝暦元年(一七五一)には知恩院大僧正から学運院の院号を授かる。代官の寺西封元たかもと(重次郎)の墓があり、指定文化財として御蔭廼松みかげのまつがある。近代の高僧矢吹慶輝は当寺一一世良慶弟子


【資料】『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)、『伊達郡村誌』二(『福島県史料集成』四「信達二郡村誌」)、『岩代国伊達郡寺院明細帳』(三冊ノ内三)


【参考】長谷川匡俊『近世の念仏聖無能と民衆』(吉川弘文館、二〇〇三)、『福島県文化財調査報告書第三〇三集』「県内主要寺社調査」(福島県教育委員会、一九九四)


【参照項目】➡無能


【執筆者:原口弘之】