深見志運
提供: 新纂浄土宗大辞典
ふかみしうん/深見志運
天保六年(一八三五)八月一〇日—明治二六年(一八九三)五月一九日。勝蓮社最誉尊阿。字は慧通。三河国碧海郡新堀村(愛知県岡崎市)に出生し、安政元年(一八五四)、荒井山九品院の求道について得度。その後、上洛して泉谷西寿寺の湛忍に師事し宗学を修め、文久元年(一八六一)、昌光律寺の海印から沙弥戒を受けた。さらに明治一五年(一八八二)には具足戒を受け、同一九年、昌光律寺に晋董。以来、護法持律を旨とし、布教伝道・持戒・教化に東奔西走し、傍ら慈無量講を創立し、講中より喜捨された金品を孤独貧窮に悩む者に施した。同二四年の濃尾大震災にあたっては、病を押して被災者の救護事業に挺身、浄土教報社もこの活動を支持し義捐金を贈って援助した。
【参考】大橋俊雄『浄土宗人名事典』(斎々坊、二〇〇一)
【執筆者:曽田俊弘】