深心の四句
提供: 新纂浄土宗大辞典
じんしんのしく/深心の四句
聖光が『授手印』において、三心を具える上での理想像について四つの例を用いて論じた「四句分別」の中、深心に関するもの。『授手印』には二つの四句があり、①「一向疑心(決定して往生を得ざるの人なり、もしはまた、一分の往生も有らんか。)一向信心(決定往生の人なり。)信疑俱心(不定往生の人なり、もしは往生を得んか、もしは往生を得ざるか。)非疑非信心(一向往生の人に非ず。)」、②「始疑終信(往生を得るの人なり。)始信終疑(往生を得ざるの人なり念仏退転の人なり。)始終俱信(決定往生の人なり、浄土宗に教うる所の念仏者なり。)始終俱疑(決定往生の人に非ず。)」(聖典五・二三二)というもので、往生浄土を深く信じるか否か(①)と、それが継続しているか否か(②)が問題とされており、終始一貫して深く信じる者を理想としている。
【参考】阿川文正「『末代念仏授手印』解題」(聖典五)
【参照項目】➡深心、回向発願心の四句、至誠心の四句、心行の四句
【執筆者:郡嶋昭示】