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浄土布教会

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどふきょうかい/浄土布教会

明治時代の布教師講習組織。名称を「浄土宗布教会」とする資料もある。明治二四年(一八九一)三月、吉岡呵成らの呼びかけによって、京都寺町天性寺内に設立される。規則第一条には「本会は一宗の教化に従事する者をして、その化儀に熟練せしめ、傍ら他の招聘に応じ布教に従事するを目的とする」とある。同年の教令第四号「巡教使講習に関する事項」には「巡教使たらんと欲する者は、浄土布教会(京都寺町天性寺中)に於て、其所定の科目に依り講習を為すべし」とあり、当初より一宗の認可を得た組織であったことがわかる。四月、京都二条教安寺を講習場とし、堀尾貫務を主任講師として授業を開始。翌年、知恩院山内入信院に講習場が移動。同二六年、一宗との共立となり、「浄土布教講習会」と名称変更、先の教令も「布教講習会規則」と改められた。同三一年伝道講習院が設立されるに至り解散となった。


【参考】『浄土宗布教伝道史』(浄土宗、一九九三)、『浄土教報』六六・六九・一〇四・一三九・一四七、稲垣真我「浄土宗伝道百年史概観」(『恵谷先生古稀記念 浄土教の思想と文化』佛教大学、一九七二)


【参照項目】➡吉岡呵成伝道講習院巡教師


【執筆者:後藤真法】