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浄光明寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうこうみょうじ/浄光明寺

神奈川県鎌倉市おうぎやつ真言宗泉涌寺派の寺院。創建は建長三年(一二五一)。開基は北条長時で、開山真阿真阿は、諸行本願義を主張した長西が師事した、天台宗系の学僧住心の孫弟子になる。三世性仙の『不断光明真言浄土宗等四宗興隆発願事』には、同寺が浄土宗諸行本願義・華厳・真言・律の四宗を興隆するための活動を行う寺院であることが記されており、草創時は諸行本願義・四宗勧学寺院であった。また、国重要文化財指定の本尊阿弥陀三尊坐像は、両脇侍の形と説法印を結ぶ中尊が当麻曼陀羅図と同じ形式を有しており、諸善根念仏を修し極楽往生を期する、諸行本願義の徒が造像に関与した面影を留めている。


【参考】浅見竜介「鎌倉に残る浄土宗諸行本願義の痕跡」(『法然と親鸞ゆかりの名宝』東京国立博物館、二〇一二)


【執筆者:東海林良昌】