仏法を雨に喩えた表現。雨は大地を潤して植物を生育させ、また有情の命を支える水を与えて益するから、このように言う。『無量寿経』上では「法雷を震い、法電を曜かがやかし、法雨を澍そそぎ、法施を演のぶ」(聖典一・二一五/浄全一・二)と説かれ、『法華経』序品でも「仏は当に法雨を雨ふらし、道を求むる者に充足したもうべし」(正蔵九・五中)と説かれている。また『仏所行讃』一では「釈尊が法雨を降らせて世間の貪欲の火を滅せしむ」(正蔵四・三中、趣意)と説かれている。
【執筆者:平岡聡】