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法然遺文の基礎的研究

提供: 新纂浄土宗大辞典

ほうねんいぶんのきそてきけんきゅう/法然遺文の基礎的研究

中野正明著。平成六年(一九九四)三月、法蔵館刊。三種の法然遺文集、および『三昧発得記』『七箇条制誡』などの個別の文献(主として非教学的文献)に対し、詳細な書誌学的検討を加えた研究書。具体的には諸本の紹介とその比較、成立事情の検討などが行われており、それによって、諸本中、どの写本・版本が最も原型に近いのかという問題に基準を与え、各遺文集・各文献の信憑性に書誌的側面から一定の承認を付与した点が注目される。平成二二年(二〇一〇)に増補改訂版が出され、そこには初版出版以降に発見された大徳寺本『拾遺和語灯録』に関する書き下ろしの論考が加えられている。


【執筆者:安達俊英】