沙弥・沙弥尼
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゃみ・しゃみに/沙弥・沙弥尼
十戒を受けた未成年の出家者のことで、男子を沙弥、女子を沙弥尼という。沙弥はⓈśrāmaṇeraⓈśrāmaṇerika、沙弥尼はⓈśrāmaṇerikāⓈśrāmaṇerīの音写語で、勤策・勤策女などと訳される。出家の五衆に含まれ、出家者の第一段階である。七歳から沙弥・沙弥尼になることができ、おおよそ沙弥は二〇歳で具足戒を受け比丘となり、沙弥尼は一八歳で式叉摩那となり、二〇歳で比丘尼となる。『摩訶僧祇律』二九では沙弥に三種を説き、七歳から一三歳を駆烏沙弥、一四歳から一九歳を応法沙弥、二〇歳から七〇歳を名字沙弥とする。これによれば、成人した後も沙弥のままでいる者が存在したこととなる。また日本では仏教に深く帰依し剃髪しつつも、妻子あるものを在家沙弥や単に沙弥という。
【執筆者:石田一裕】