一巻。『法語』『念仏法語』ともいう。源信作。『往生要集』の肝要な点を平易な和文体で述べたものとされる。前段には三悪道から逃れて人間に生まれ、さらに阿弥陀仏の本願に遇えたことを喜ぶべきであると述べ、後段には妄念の凡夫でも念仏することで来迎にあずかり、往生を疑わず、その願いを深くして名号を称えるべきことを述べている。
【所収】仏全三一、『恵心僧都全集』五
【参考】八木昊恵『恵心教学の基礎的研究』(永田文昌堂、一九六二)
【執筆者:沼倉雄人】