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懐惲

提供: 新纂浄土宗大辞典

えうん/懐惲

唐・貞観一三年(六三九)—大足元年(七〇一)一〇月二二日。懐感とともに善導の高弟。南陽呉郡の出身。俗姓は張氏。唐の高宗が中国全土に秀逸なる人材を求めた際、総章元年(六六八)に夢中で懐惲を見たことから彼を召そうとしたが、懐惲はこれを固辞し西明寺にて出家。その後、善導弟子となり、十数年の修行を行う。善導没後に神禾原しんかげん善導の遺徳を讃えて崇霊塔を建立したと伝える。また懐感没後にその遺志を継ぎ『群疑論』を完成させている。永昌元年(六八九)には善導が竜門石窟大盧舎那像建立の折に身を寄せていた実際寺の寺主となり、後に同寺に浄土堂を建立。大足元年一〇月二二日に六二歳で没し、勅にて「隆闡大法師」号を受けた。


【資料】「大唐実際寺故寺主懐惲奉勅贈隆闡大法師碑銘並序」(『金石萃編』八六)、『群疑論』序(浄全六)


【参考】金子寛哉『「釈浄土群疑論」の研究』(大正大学出版会、二〇〇六)


【執筆者:柴田泰山】