阿弥陀仏の極楽浄土に至るまでの中間にある国土。懈慢国とも。『菩薩処胎経』三によれば、懈慢界は閻浮提えんぶだいより西方一二億那由他にあるとされる。この世界は快楽に満ちており、一旦ここに生まれたものは、この国土に執着を起こして極楽浄土へ生まれることはできないと説かれている。懐感は『群疑論』四(浄全四・四九下/正蔵四七・五〇下)に雑修の者は懈慢国に生じ、専修の者は極楽国に生ずるとしている。
【執筆者:竹内正俊】