けんじゃくかきかい/慳惜加毀戒
物惜しみをして、他人に危害を加えることを禁じた戒。このようなことを誰かに教えて、させることも禁止されている。不慳生毀辱戒ともいう。十重禁戒の第八番目の戒であり、菩薩の波羅夷罪である。菩薩は、貧しい人や乞食のものを見て、求めるものを何でも与えるべき存在である。しかし、もしも菩薩が悪しき心や怒りに満ちた心で、そのような人々にわずかなものをも施さず、また教えを求めるものに何も教えず、さらにはそのような人々を罵りけなすようなことがあれば、波羅夷罪とされるのである。
【資料】『梵網経』、『菩薩戒義疏』
【参照項目】➡十重禁戒、波羅夷
【執筆者:石田一裕】