御室
提供: 新纂浄土宗大辞典
おむろ/御室
一
京都市右京区御室大内。仁和寺(真言宗御室派総本山)の所在地。仁和寺の門跡を御室門跡、その住まいを御室御所といい、仁和寺そのものを指す場合もある。また現在では仁和寺周辺の地名を指す。当地は、光孝天皇が大内山の麓に一院を草創したのがはじめで、宇多天皇が仁和三年(八八七)より当地に西山御願寺の造営を進め、翌年新金堂において先帝の周忌御斎会を奉修し、元号から仁和寺とした。宇多天皇は昌泰二年(八九九)に出家、延喜四年(九〇四)仁和寺に御室(法皇の住する僧房)を造営して住まいとし、この後、法親王が御室を継承した。『四十八巻伝』四、五、『醍醐本』に「御室」(聖典六・三二など)として当時の法親王が登場する。
【資料】『御室相承記』(奈良国立文化財研究所編『仁和寺史料』寺誌編一、吉川弘文館、一九六七)
【参考】出雲路敬和『仁和寺史談』(仁和寺、一九七三)、目崎徳衛「宇多上皇の院と国政」(古代学協会編『延喜天暦時代の研究』吉川弘文館、一九六九)
【執筆者:米澤実江子】
二
⇨守覚法親王(しゅかくほっしんのう)