親指の腹に人差し指をあてて、はじいて音を出すこと。他人の家や部屋に入る許諾の意味の合図としたり、歓喜の合図にも用いる。東司(手洗い)から出て手を洗うとき、不浄を見聞したときに、これを払い除くために弾指することもある。『諸回向宝鑑』五(二九オ)には、厠に上がるとき弾指する説を示している。また、指ではじくほどの極めて短い時間。時の単位。二〇念を一瞬とし、二〇瞬を一弾指とする。一弾指を「弾指之頃たんじのきょう」ともいう。
【参照項目】➡撥遣弾指
【執筆者:廣本榮康】