弥陀本願義疏
提供: 新纂浄土宗大辞典
みだほんがんぎしょ/弥陀本願義疏
一巻。法然のものとする撰号があるが、偽撰と目されている。本書の末に、建暦元年(一二一一)の旨の記述があるが、疑わしい。よって、成立年次は不明。四十八願を解説した書。まず『無量寿経』を、大意・釈其名・入文解釈に分けて解説し、入文解釈の項で四十八願について論じる。その四十八願についても、序分・正宗分・流通分があるとし、さらに、一々の願についても、序分・正宗分・流通分があるとする。四十八願の解釈ののち、善導との夢の中での対面を示し、善導から、二蔵三法輪を浄土宗の定判とすることを告げられた旨を記す。聖冏や聖聡などは、本書を引用する。
【所収】昭法全
【参考】徳沢龍泉「『弥陀本願義疏』と『弥陀本願義』とについて」(『龍谷学報』三〇九、一九三四)
【執筆者:角野玄樹】