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延年寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

えんねんじ/延年寺

京都市東山区五条坂東に存在した寺院。天平年間(七二九—七四九)に行基が五三昧場(葬墓地)として建立したという。『四十八巻伝』四三には、法然弟子であった西仙房心寂について、没後「東山延年寺の上の山(鳥部山)に葬す」(聖典六・六五六)とある。兵火によって堂宇伽藍を焼失したといい、『翼賛』五二には「清水の西、正久寺の東二町ばかりに藪あり。これぞその旧地にて、今清水の領に属す」(浄全一六・八〇四上)と記される。その後も墓地と共に寺の名のみは存続したが、明治維新の際に完全に廃寺となったという。


【執筆者:齋藤蒙光】