寂光浄土義
提供: 新纂浄土宗大辞典
じゃっこうじょうどぎ/寂光浄土義
阿弥陀仏の西方浄土について、法身仏の居す寂光浄土(寂光土)への往生が最も勝れているという説。寂光土義、寂光土往生義ともいう。聖光は『授手印』の裏書に、この説の他に一念義、西山義と思われる説を取り上げて「この三人の義、近代の興盛の義なり。已上の三義、これ邪義なり。必ず必ず全く、これ法然上人の義に非ず」(聖典五・二四七/浄全一〇・一一上)といって、法然の念仏義とは全く違う説として厳しく批判している。妙随は『徹選択集私志記』において、この説は行空の説としているが定かではない。
【資料】『徹選択集私志記』(浄全八)
【参考】坪井俊映「法然門下における聖光上人の地位—本願念仏思想に関して—」(『仏教文化研究』三〇、一九八五)
【執筆者:郡嶋昭示】