てんがい/天蓋
仏像などの上にかざし、仏・菩薩の威徳を示す笠状の荘厳具。懸蓋、仏蓋、また宝玉で飾られたりしたので宝蓋ともいう。元はインドの暑さを避けるためにかざした傘(傘蓋)に起源を持つ。箱形の円形、四角形、六角形、八角形などに屋蓋をのせ、その周りを瓔珞などで飾った箱形天蓋や、蓮華を用いた華形天蓋などがあり堂内に吊るされる。野辺送りなどには布製、紙製、木製の小型の天蓋が用いられ、棺や遺骨の上に、先端の曲がった柄につけてかざされた。堂内の仏・菩薩像にかけられるものを仏天蓋、高座などの頭上や、葬儀等の導師の頭上にかける大傘を人天蓋(傘蓋)という。
【参照項目】➡朱傘
【執筆者:斉藤隆尚】