天竜八部
提供: 新纂浄土宗大辞典
てんりゅうはちぶ/天竜八部
仏教を守護する八種類の鬼神の総称。別名として天竜八部鬼神、天竜八部衆、八部衆ともいわれる。天と竜を上首とするゆえこのように表現される。①天(Ⓢdeva)、②竜(Ⓢnāga)、③夜叉(Ⓢyakṣa)、④乾闥婆(Ⓢgandharva)、⑤阿修羅(Ⓢasura)、⑥迦楼羅(Ⓢgaruḍa)、⑦緊那羅(Ⓢkiṃnara)、⑧摩睺羅迦(Ⓢmahoraga)を指す。①は欲界六天・色界十七天(異説もあり)・無色界四天を主宰する神の総称、②は降雨を司る竜神、③は悪鬼、④は香神等と訳される天上楽神、⑤は闘争にあけくれる鬼神、⑥は金翅鳥と訳される巨鳥、⑦は天上歌神、⑧は人身蛇首の蛇神を意味する。
【執筆者:中御門敬教】