法然の『選択集』を和文に改めたものの総称。和文体の『選択集』として、古くは、広本として知られる仮名文字延書の存覚相伝本、寛文六年(一六六六)刊行の『ひらがな選択集』五巻等があるが、中でも絵の挿入された二尊院本と関通本(いずれも延享元年〔一七四四〕刊行)を「和字選択集」と呼ぶ場合が多い。両本は法然の遠忌等の際に洋装の袖珍本として度々改版されており、布教の際に用いられるなどして広く流布している。
【参照項目】➡和字絵入選択集、選択本願念仏集)
【執筆者:兼岩和広】