『観経』の「九品往生」の説示より阿弥陀仏の極楽世界を九品と称し、その教主であるという意味から、阿弥陀仏のことを指示した語。聖光の『授手印』の序には「それ以おもんみれば、九品を宿と為んには、称名を以て先と為す。八池を棲と為んには、数遍を以て基もといと為す。念仏とは、昔の法蔵菩薩の大悲誓願の筏いかだ、今の弥陀覚王の広度衆生の船」(聖典五・二二三)とある。
【執筆者:兼岩和広】