不修福慧戒
提供: 新纂浄土宗大辞典
ふしゅうふくえかい/不修福慧戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうちの第三九戒。仏弟子たる者は常に一切の衆生を教化し僧房を建立し、処々に仏塔を立てるべきであるとし、菩薩たる者は一切の衆生のために、大乗の経律を読誦、講説すべきであるとする。大乗の教律とは『梵網経』のこととされるが、疾病・国難・賊難のとき、あるいは父母兄弟・和上・阿闍梨の亡滅の日をはじめ三七日から七七日に至るまでこれを読誦、講説すべきであり、またあらゆる災難、煩悩に苦しめられるときにも読誦、講説すべきであるとする。もし新学の菩薩がそのようにしないならば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。なお福慧の福は仏塔建立を指し、慧は読誦、講説を指すという。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【執筆者:袖山榮輝】