操作

通報化義

提供: 新纂浄土宗大辞典

2018年3月30日 (金) 06:29時点におけるSeishimaru (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

つうほうけぎ/通報化義

浄土には法身浄土報身浄土化身浄土三土があるが、阿弥陀仏極楽浄土はそのすべてに通じて具足するという説。文字上は報土化土の二土であるが、実際は法身浄土も加わる。迦才は『浄土論』上において「問うて曰く、土にすでに三あり。未だ知らず、西方はこれ何の土なりや。答えて曰く、また三種を具す。…故に諸経論の中に或いは判じて報とし、あるいは判じて化とす。みな旨を失せざるなり」(浄全六・六三〇上)と述べ、極楽浄土三土すべてを具足しており、衆生機根の相違にしたがって、感見できる浄土の相違が生じるとしている。龍樹のような高位の菩薩三土すべてを見ることができるが、凡夫化土しか見ること、往生することができないとする。これは諸経論間における、極楽の判定の相違を統一しようとしたものであり、極楽報土であることを認めているようであるが、善導是報非化説とは全く相違する理解である。


【参考】名畑応順『迦才浄土論の研究 論攷篇』(法蔵館、一九五五)


【参照項目】➡唯報非化


【執筆者:曽和義宏】