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「餓鬼回向文」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版

がきえこうもん/餓鬼回向文

施餓鬼会棚経において陀羅尼を唱えその功徳を一切の餓鬼成仏のために回向する文。「願籍斯善がんしゃくしぜん 一切餓鬼いっさいがき 罪障消滅ざいしょうしょうめつ 離苦得楽りくとくらく 発心修行ほっしんしゅぎょう 臨終見仏りんじゅうけんぶつ 超生浄土ちょうしょうじょうど 究竟成仏くきょうじょうぶつ」。陀羅尼を唱えることによって罪障が消滅するという経文は散見されるがこの偈文の出典は不明。祐麟述『浄業課務』の「略施食法」「施餓鬼会儀軌」(『祐天寺史資料集』四上、六三〇・六四九、一八三七頃)に出る。『浄土宗法式精要』の「施餓鬼会」で「総回向偈」(九四オ)、「略施餓鬼作法」で「回向偈」(九四ウ)と題され、『法要集』(昭和一四年版)で「餓鬼回向文」と偈題された。陀羅尼等を唱えた善根功徳によって、一切の餓鬼の罪が滅し、苦界を離れ菩提心を発して念仏を修し、命終のときに仏を見て極楽に生じ成仏せんと念じる文。『法要集』(大正一三年版)では「導師発唱」と指示があるが、現在は維那句頭する。施餓鬼会ではこの文を唱えて十念したのち、導師撥遣弾指はっけんたんじする。


【参照項目】➡施餓鬼会


【執筆者:巖谷勝正】