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霊場

提供: 新纂浄土宗大辞典

れいじょう/霊場

神仏の霊験あらたかな聖地として信じられ、参詣の対象になっている場。霊地・霊験所・霊寺・霊社・霊山などともいう。また、いくつかの聖地が何らかの宗教的理念によって統合され巡礼の対象になっている聖地群をも指す。山林修行霊山の遊歴により験力げんりきを得たひじりたちは、各地に「聖の住所」(『梁塵秘抄』二)といわれる霊験所を形成し、その中から民衆が参詣する霊場ができてくる。一二世紀頃から参詣勧進を目的とする寺院の由緒と霊験を説く縁起が数多く作られ、やがて一部の霊験所は西国三十三所のように統合された聖地として巡礼される。また、聖徳太子空海の廟所も彼岸へ導かれる霊場となるが、法然の廟堂に参詣して往生祈り真影を拝する者が集まった大谷の地も、やがて、「浄土真門開立之地にて、一宗根源之霊場」(『総本山知恩院旧記採要録』仏全一一七・三八六上)とされた。宝暦一二年(一七六二)法然の遺跡二十五箇所の巡拝が始まり、大坂講建立の札所標石には「円光大師廿五霊場」と刻まれるように、知恩院以外の法然の遺跡寺院霊場として巡拝の対象となった。しかし、法然霊場は、いわゆる神仏の霊験所とは異なり、法然とゆかりをもつ寺院のことを指し、そこで法然御影に値遇して、吉水の流れの源を尋ね、祖恩報謝の念を深め、念仏を称えて往生を願う縁となる所をいうのである。


【参考】速水侑『観音信仰』(塙書房、一九七〇)、『霊地』(岩波講座「日本文学と仏教」七、岩波書店、一九九五)、佐藤弘夫『霊場の思想』(吉川弘文館、二〇〇三)、伊藤唯眞「法然上人遺跡の巡拝について」(『浄土宗史の研究』伊藤唯眞著作集四、法蔵館、一九九六)、山本博子「法然上人二十五霊場と御影信仰」(『日本宗教文化史研究』一一、二〇〇七)


【参照項目】➡法然上人二十五霊場巡礼


【執筆者:山本博子】