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提供: 新纂浄土宗大辞典

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し/死

死ぬこと。身体の活動が停止した不可逆的な状態。死は逝去、絶命、長逝、永眠などともいい、また「亡くなる」「没する」などとも表現される。医学では、心臓拍動停止・呼吸停止・瞳孔散大の三徴候の確認がされると、死亡と診断される。脳の全機能が停止し、その他の臓器が機能している状態を脳死という。医学的な死は医師、あるいは歯科医師によって診断されるが、頭部の欠損や白骨化など、明らかに死と認定できる状態を社会死という。仏教では死(Ⓢmaraṇa)を生・老・病とともに四苦と捉える。衆生の生存は、命根という法の働きによって保たれており、死とは命根が失われることとも理解される。死と同義の言葉に命終があり、『阿弥陀経』の「命終の時に臨んで」(聖典一・三一八/浄全一・五四)という表現もこれに類するものである。『阿弥陀経』では念仏者の命終には、阿弥陀仏聖衆がその人の前に現れ、往生を得ると説かれており、念仏者はこの世での死後に往生し、念仏者にとって死は往生と同義とも理解される。一般的に僧侶の死は遷化と呼ばれるが、これを「往生の素懐を遂げる」ということもあり、死と往生は言い換え可能な言葉となっている。


【参照項目】➡三徴候死四苦八苦遷化脳死


【執筆者:石田一裕】