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廬山

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ろざん/廬山

中国江西省九江市南部にある名山。もと南鄣山なんしょうざんと呼ばれ、南康山、匡廬きょうろ山、靖廬山ともいう。東晋・太元年間(三七六—三九六)に道安門弟慧永により西林寺、慧遠により東林寺が創建され、慧遠廬山において念仏道場を開き般舟三昧を修した。慧遠の下には道俗問わず多くの同信者が集い、後世この念仏結社は白蓮社と呼ばれるようになり、廬山中国浄土教の一大本山となった。また謝霊運、陶淵明、李白、白居易などの名立たる詩人が廬山を訪れて詩文を遺しており、優美な山水は古くから知られている。廬山浄土教者だけではなく、儒者・道士・禅者などの往来も多く、南宗禅の慧能や北宗禅の神秀らも参じたとされる。元代には白蓮宗の復興を目指し『廬山蓮宗宝鑑』を著した普度東林寺に住しており、廬山浄土教を求めて入元した澄円普度に師事し、帰朝後に白蓮社の遺風を継いだ旭蓮社を創始した。太平天国の乱や文化大革命により多くの寺廟が破壊されたが、修復も進んでいる。


【資料】『廬山記』(正蔵五一)、『廬山志』(『中国仏寺志彙刊』二—一六、明文書局、一九八〇)


【参考】木村英一編『慧遠研究 研究篇』(創文社、一九六二)


【参照項目】➡白蓮社


【執筆者:石上壽應】