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唯報非化

提供: 新纂浄土宗大辞典

ゆいほうひけ/唯報非化

阿弥陀仏極楽報身報土であって、化身化土ではないということ。用例としては良心決疑鈔見聞』(浄全七・七八五下)や良栄理本東宗要見聞』(浄全一一・二〇六上)に見られる。善導は『観経疏』玄義分において「問うて曰く、弥陀浄国は、はたこれ報なりや、これ化なりや。答えて曰く、是れ報にして化に非ず」(聖典二・一八二/浄全二・一〇下)と「是報非化」説を出し、阿弥陀仏浄土に出現した、本願成就の仏であるので報身であり、極楽報土であって、衆生救済のために方便として仮に出現したすがた(化身)や国土化土)ではないことを明確にした。これは道綽安楽集』の説を受けたものであり、諸師が阿弥陀仏極楽応身応土(化身化土のこと)とする「是応非真」説や、極楽は法・報・化を具足しているが衆生機根にしたがって感見・往生する土が異なるといった「通報化義」説は誤りとするものである。この唯報非化説を立てることによって、阿弥陀仏本願力による平等往生が実証されることとなった。


【参照項目】➡通報化義


【執筆者:曽和義宏】