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十二問目

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じゅうにもんもく/十二問目

神祇官のもとに設置された宣教使が、僧侶に投げかけた一二の問題。明治二年(一八六九)七月、神道に基づいた国民教化政策の一環として宣教使が設けられ、その職に任じられた神官が仏教に対して思想的攻撃を試みたのがこれである。その背景には、近世まで特権的地位にあった仏教に対する怨恨や、神道教化という新たな政策の推進があった。神官側の舌鋒はするどく、回答できない僧侶還俗に追い込む事例もあった。一二問の問目については多少の出入りがあり、養鸕うがい徹定てつじょうの『十二問答』によれば、仁法二教、神仏本迹、神明帰仏、仏法国益、鎮護国家生死感業、三世因果、須弥有無、洋教新古、二法一双、葬式益無益、法事弔勤であり、仏教側の指導者はこれに対抗すべく模範解答を作成しており、浄土宗では養鸕徹定福田行誡等がその任にあたった。


【執筆者:小川原正道】