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「五十五箇条口伝」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版

ごじゅうごかじょうくでん/五十五箇条口伝

聖冏が『五重指南目録』において制定した五五箇条の伝目のことであり、現在は大五重のみにおいて相伝されている。初重は『往生記』を伝書として四箇条(「題号」「破戒念仏第二機」「愚鈍念仏第一機」「和語」)および知残しりのこし一箇条という内容になっている。ここでは特に「愚鈍念仏第一往生之機」を最重要視した上で、機根に関する内容を相伝している。二重は『授手印』を伝書として三七箇条(「伝法要偈」「初重二重機法不離之事」「序正等一部始終一行三昧結帰之事」「宗義行相文段分別二箇立処之事」「一心専念文三重口伝」「五正行文三重説相」「一心専念文五義引証」「五義引証一一細相事」「九品三心念仏三心云事」「多実少虚下註若可往生口伝」「三心五字習事」「浄土宗二字習事」「竪三心必可次第、横三心一心即三心口伝」「三心肝要習第二深心事」「三心中第三心為体事」「三心五念合釈口伝」「奥図総別大意口伝」「三心口伝」「五念口伝」「四修口伝」「三種行儀口伝」「至誠心口伝」「深心口伝」「回向発願心口伝」「礼拝口伝」「讃歎口伝」「作願門口伝」「観察口伝」「回向口伝」「恭敬修口伝」「無余修口伝」「無間修口伝」「長時修口伝」「尋常行儀口伝」「別時行儀口伝」「臨終行儀口伝」「左手印右手印口伝」)および云残いいのこし一箇条という内容になっている。ここでは『授手印』所説の六重二二件、五五の法数をすべて理解した上で、さらに結帰一行三昧相伝している。三重は『領解抄』を伝書として一箇条(「本末口伝」)および書残かきのこし一箇条という内容になっている。ここでは自身の浄土往生の決定を深く領解することを相伝している。四重は『疑問抄』を伝書として二箇条(「本末口伝」「讃歎称名」)および云残いいのこし一箇条という内容になっている。ここでは明瞭かつ確固たる決定心をなすことを相伝している。第五重は『往生論註』の口授心伝の説示に基づいて六箇条(「別口伝」「総口伝」「傍人口伝」「気息口伝」「凡入報土口伝」「半金色伝」)および書残かきのこし一箇条という内容になっている。この第五重が現行箇条伝法の論理的な根拠に他ならず、この意味において箇条伝法も化他五重も、この五十五箇条口伝を根拠として成立していることが分かる。また、これら初重から第五重に至るまでの五重伝法には撰者人師次第を意味する作者次第と、教えの相伝を意味する機法次第という二種の相伝がある。作者次第とは、初重は善導から法然に、二重は法然から聖光に、三重は聖光から良忠に、四重は良忠から在阿に、第五重は仏祖阿弥陀仏)から玄忠(曇鸞)に浄土法門を直接に親授したとする説である。また機法次第には七字口伝と五字口伝があり、七字口伝とは初重は「知機」を、二重は「行(もしくは法)」を、三重は「解」を、四重は「証」を、第五重は「口授」を相伝するという内容である。一方、五字口伝とは初重は「機」を、二重は「法」を、三重は「解」を、四重は「証」を、第五重は「信」を相伝するという内容である。これら五十五箇条口伝浄土宗宗義伝法の根幹である。


【資料】聖冏『五重指南目録』(『伝灯輯要』)


【参照項目】➡箇条伝法五重相伝


【執筆者:柴田泰山】