「法語」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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ほうご/法語
仏法の道理に則って語られる言葉。中国の唐宋時代には、仏教者が偈頌や教示で仏法を演説するものをいった。日本では、①仏教上の要義を平易に叙述するが、その構想や叙述の態度が常に体験的であり、告白的であること、②平易に仮名文体を主とすること、③経典に所依し、それを発想の基盤としつつも、一種の二律背反的構成を持つこと、④三蔵のうち経論的性格、すなわち戯曲性を持つものであること、⑤断言性、教化性と談義本的性格を持つものであることなどと定義されている。日本では仮名法語として、源信の『横川法語』、法然の『一枚起請文』『登山状』、親鸞の『歎異抄』『末灯鈔』、道元の思想を示した『正法眼蔵随聞記』、日蓮の『土籠御書』『身延山御書』、一遍の『一遍上人語録』、編者未詳『一言芳談』、鈴木正三の『盲安杖』『万民徳用』、以空の『玉かがみ』、慈雲の『人となる道』など、多数ある。
【参考】小林智昭「法語の構造—真と俗をめぐって—」(『国学院雑誌』七二—一一、一九七一)
【参照項目】➡仮名法語
【執筆者:榊泰純】