「世自在王仏」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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せじざいおうぶつ/世自在王仏
阿弥陀仏が法蔵菩薩(比丘)であった因位のときに帰依し導かれた仏。ⓈLokêśvara-rājaⓉ’jig rten dbaṅ phyug rgyal po。楼夷亘羅と音写し、世鐃王仏とも訳す。『無量寿経』上によると、久遠の昔、錠光如来が世に出て衆生を教化した後、次々と五三仏が出世して、その次に出た過去仏とされる。世自在王仏は法蔵菩薩のために二百一十億の諸仏刹土の天人の善悪、国土の粗妙を説き、これを示現して観見させ、これにより法蔵菩薩は四十八願を発すこととなった。法然は『選択集』三の阿弥陀仏の本願を説明するなかで、法蔵比丘と世自在王仏との関係を述べ、「選択」と「摂取」の語について説明している。『大宝積経』「無量寿如来会」と『十住毘婆沙論』は過去仏の順序が逆で、世自在王仏から始まり順に次第して錠光仏に至るとなっている。
【参照項目】➡五十三仏一
【執筆者:宮田恒順】