衆罪如霜露
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゅざいにょそうろ/衆罪如霜露
伽陀の一つ。「衆罪伽陀」または「懺悔伽陀」ともいう。「衆罪如霜露 慧日能消除 是故応至心 懺悔六情根」。「法華三部経」の結経である『観普賢菩薩行法経』に出る(正蔵九・三九三中)。諸々の罪は、霜や露が日の光に当たって消えてなくなるように、如来の智慧の光明によってよく除滅されるから、まさに真心こめて眼・耳・鼻・舌・身・意の六根が引き起こす罪業を懺悔すべしという意。知恩院では一一月の兼実忌に「十夜古式」法要で前伽陀として唱えている。ただし、第一句と第四句の極略方式で唱えている。まずこの伽陀を唱えて四奉請などを唱える。天台宗の「例時作法」「声明例時」の法要名から「例時伽陀」ともいう。『観普賢菩薩行法経』でこの偈の直前にある「一切業障海 皆従妄想生 若欲懺悔者 端坐念(思)実相」も「懺悔伽陀」といえる偈文で、『浄土宗声明集』(知恩院、一九八七)に掲載されている。
【執筆者:太田正敬】