ぐんぎろんぎかい/群疑論疑芥
巻六・七・八のみ現存。長西撰。金沢文庫保管。懐感『群疑論』の註釈書。撰者名は明示されないが、内題に「浄土疑芥(通申諸経中/群疑論第七)」等とあり、『観経疏光明抄』等と一致するので長西の撰と判断できる。『群疑論』は懐感当時までに議論された浄土教学上の論点を集約した典籍であり、こうした諸問題に対する長西の理解や態度を知ることができる貴重な資料である。
【参考】塚本善隆「金沢文庫所蔵浄土宗学上の未伝稀覯の鎌倉古鈔本」(浄土学五・六、一九三三)、金子寛哉『「釈浄土群疑論」の研究』(大正大学出版会、二〇〇六)
【参照項目】➡釈浄土群疑論
【執筆者:吉田淳雄】