一巻。霊玄著。元禄六年(一六九三)刊。善導の千回忌にあたり、その一代記を中心として、章目三〇条に、五〇枚以上の絵図を添えて記述したもの。善導が没した後についても、「善導後身」と称された法照や少康、延寿との深き因縁を述べ、さらに法然との二祖対面を経て、聖光・良忠へと浄土の教法が相伝されたことを明かしている。善導を「浄業」と呼ぶのは、聖冏『糅鈔にゅうしょう』に「終南悟真光明善導大師浄業大和尚」(浄全三・五三上)とあるのにもとづく。
【執筆者:工藤量導】