法然上人全集
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうねんしょうにんぜんしゅう/法然上人全集
一
黒田真洞・望月信亨共纂。明治三九年(一九〇六)七月、宗粋社発行。法然の文献や法語などを集めた全集。これらを教旨、釈義、法語、問答、制誡、消息、説話、雑纂、および附録として、伝記、真偽未詳、というように分類して収録する。この分類法は、のちの『昭法全』にも影響を与えた。本書の編集意図は、「跋」に詳しくあり、法然の文献・法語の取捨選択や、真偽問題について述べる。当時としては画期的で有用な書であったためであろう、何度も再・改版しているが、その過程で、法語や『九巻伝』、大正七年(一九一八)に望月が紹介した『醍醐本』も追加収録する。望月の「自叙伝」(『望無雲遺芳』所収、一六)によれば、黒田は余乗を主に学した人であり、宗乗にはあまり詳しくないため、名を列ねたにすぎない旨を述べ、実際は望月が中心になって編んだようである。
【執筆者:角野玄樹】
二
⇨昭和新修法然上人全集(しょうわしんしゅうほうねんしょうにんぜんしゅう)