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岸信宏

提供: 新纂浄土宗大辞典

きししんこう/岸信宏

明治二二年(一八八九)三月二八日—昭和五四年(一九七九)一一月三日。大蓮社量誉慈阿。あざなは遊玄。知恩院三世。三一年間の永きに亘って知恩院法灯を守る。現在の愛知県稲沢市に生まれ、明治三二年(一八九九)、和歌山県田辺市の浄恩寺藤田善信のもとで得度。大正五年(一九一六)宗教大学研究科を修了、唯識教義を研究。同一二年から昭和八年(一九三三)まで、佛教専門学校講授・教授を務める。同二三年本派浄土宗知恩院三世に就く。同三七年合同後の初代浄土門主に就任。国内各地の巡錫じゅんしゃく親教は千回以上、ハワイ・北米・中国・ビルマ・インドなどにも巡教全日本仏教会会長に二度就任。同四九年には浄土宗開宗八〇〇年慶讃大法要を勤め、同五四年遷化。世寿九〇歳。温厚な人柄で、漢詩・和歌をよくした。著書に『法然上人のお手紙』(東方出版、一九八五、巻末に略年譜)、他がある。


【執筆者:佐藤健】