周仰
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゅうこう/周仰
—天文二〇年(一五五一)三月一九日。天蓮社親誉。増上寺七世。武蔵国世田ヶ谷に吉良氏家臣大平氏の子として生まれる。父の病気平癒が叶った浅草観音との約束によって、浅草観音院で出家し、さらに常陸国水戸薬王寺において顕密二教を修学した。周辺でおこる戦乱に世を厭い、増上寺智雲に師事し浄土に改門した。永正元年(一五〇四)には「論議の碩匠」となり、同一三年五月智雲のあとを継ぎ増上寺七世となった。天文二〇年三月一九日遷化。弟子に称念(京都一心院開山)、天啓(増上寺八世)、易誉(伊勢欣浄寺開山)らがいる。ことに称念は江戸に天智庵(現・天徳寺、東京都港区虎ノ門)を建て、師周仰を開山とした。
【資料】『三縁山志』九(浄全一九)
【参考】『大本山増上寺史』(大本山増上寺、一九九九)
【執筆者:福田行慈】