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音澂

提供: 新纂浄土宗大辞典

おんちょう/音澂

宝暦三年(一七五七)—天保四年(一八三三)一〇月一三日。梵蓮社忍誉浄阿性厳。三河の人。同国遍照院の穏冏おんげいに師事。関東へ遊学ののち、寛政元年(一七八九)上洛して知恩院山内の既成院に住し、同年洛西池上西光庵に移る。同三年京極勝円寺に移住し獅子谷金毛院において典寿と共に『大蔵対校録たいきょうろく』を校正した。同四年九月に知恩院六〇世誠誉定説の特命により、後に中興となる京都浄福寺晋山。翌年四八日間の別時を修し毎日説法をした。一一月には知恩院六二世聖誉霊麟の命により総本山六役を任され、授戒や五重を、数回修した。文政元年(一八一八)典寿の業を継ぎ『伝通記』一五巻を校閲して上梓。松声院を建立し経堂を建て大蔵経を収めた。弟子の久美浜本願寺鑑誉を招き善知識に据え、端座合掌して念仏の内に往生した。生涯にわたり『俱舎論』『大乗義章』『唯識記述』『維摩経』『義林章表無表章』『教戒律儀』『六物図』『華厳五教章』『起信論』『宗鏡録』『阿弥陀経』の講義を行った。著書に『浄業蓮社清規』がある。


【資料】『略伝集』(浄全一八)、大島泰信『浄土宗史』(浄全二〇)、横井徹山編『音澂上人』(浄福寺忍誉法類会、一九三二)


【執筆者:田中芳道】