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霊山本廟

提供: 新纂浄土宗大辞典

りょうぜんほんびょう/霊山本廟

京都市東山区清閑寺霊山町。霊山興正寺別院真宗興正派円光大師御遺跡四十八所の札所。法然別時念仏を行った遺跡とされる。霊山寺で元久二年(一二〇五)正月一日から法然が三七日の別時念仏を始めると、第五夜に勢至菩薩も共に行道していることを信空は見たという。霊山寺天台宗であったが、永徳三年(一三八三)国阿が時衆道場として再興し霊山霊鷲山正法寺と号した。『都名所図会』(安永九年〔一七八〇〕刊)では境内に「法然上人念仏堂」を描き、愚仙『円光大師御遺跡四十八所口称一行巡拝記』(文化一三年〔一八一六〕刊)では法然像と遺骨を納めた廟塔があることを記す。明治二年(一八六九)正法寺境内地の大部分が公収されるが、同九年に本願寺から分離独立した興正寺が、同一二年に正法寺の南西に親鸞の廟を建立し、翌年霊山別院と称した。現在、霊山本廟境内に「円光大師別時念仏之跡」の石碑がある。


【資料】『四十八巻伝』八、『翼賛』八・五〇、『都名所図会』三(『新修京都叢書』六、一九六七)、『京都坊目誌』下京第二八学区之部(『新修京都叢書』二一、一九七〇)


【参考】千葉良導「霊山及び八坂方面の遺跡」(『摩訶衍』一一、一九三二)、浄宗会編『円光大師法然上人御霊跡巡拝の栞』(知恩院、一九九六)


【執筆者:山本博子】