操作

通因・別因

提供: 新纂浄土宗大辞典

つういん・べついん/通因・別因

結果を生起させる原因に通別の二種がある。通因とは生じた多くの結果に対して共通して要因となるものをいう。対して、別因とは必ずある特定の結果を生ずる要因をいう。迦才は『浄土論』において「略して其の因を出だすに、自ずから二種在り。一は是れ通因、二は是れ別因なり」(浄全六・六三九下正蔵四七・八九中)と往生浄土の因に通・別二因をたてている。通因としては、『無量寿経』下に説く三輩発菩提心と、『観経』に説く三福業を挙げている。さらにこの通因を十方浄土に通ずるものと、過去・現在・未来の三世浄土に通ずるものに分けている。別因には所求と能求があるとし、西方極楽浄土のみに限って往生を求め、阿弥陀仏を念じて弟子となることを所求の別因とし、念仏阿弥陀仏名号を念ずる)、礼拝讃歎発願観察回向の六種を能求の別因として挙げている。


【執筆者:遠田憲弘】