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表白

提供: 新纂浄土宗大辞典

ひょうびゃく/表白

法会の趣旨を綴った文章。また、本尊諸尊等に表啓告白ひょうけいこくびゃくすること。啓白、開白ともいう。賛寧『大宋僧史略』行香唱導の条に、唱導は西域の呪願に由来することを述べて「此れ表白椎輪はじめと為る也」(正蔵五四・二四二上)といい、道誠『釈氏要覧表白の条に「亦は唱導と曰う也」(正蔵五四・二七六中)というように、古来表白唱導は同義とされ、各総・大本山御忌大会において表白にあたる諷誦文・嘆徳疏などを奉唱する役を「唱導師」と称する語源にもなっている。表白は『法要集表白宣疏の部の凡例に「法要には各寺院にふさわしい文を作成することがのぞましい」(上・二七三)と指示されるように、本来は法会の都度作るべきものである。その形式は円通説法明眼論』表白品に「三宝の境、同別住持の仏を表白し、先ず修善の体を讃じ、次に施主の意を嘆ず。聖霊の菩提を成じ、聴衆の願を成就す。法界の衆に回向し、諸天の威光を増す。次に願文有り、之を読むべし」(一六オ)とあり、この次第が基本といわれるが、時代や宗派により必ずしも一様ではない。また表白を捧読する場合は、仏前にひざまずく(長跪する)か、登高座するのが心得とされている。


【参照項目】➡宣疏


【執筆者:熊井康雄】