操作

行者 (ぎょうじゃ)

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぎょうじゃ/行者

仏道修行者の意の略称。行人とも称される。『観経疏散善義に「仰ぎ願わくは一切の行者等、一心に唯仏語を信じて、身命を顧みず、決定けつじょうして依行せよ」(聖典二・二八九/浄全二・五六下)とあるように、行者とは決定依行深信の純粋なるをいい、ある特定の行を執行するものを念仏行者回峰行者などと称するごときものである。あるいは、苦修練行した徳者の尊称として使用され、徳本行者行者えんのぎょうじゃ修験道開祖)はことに有名である。


【執筆者:清水秀浩】


山岳霊場などにおいて荒行する修験者のこと。山伏ともいう。役小角えんのおづぬ行者えんのぎょうじゃまたは行者という。頭に兜巾ときんを戴き、鈴懸すずかけゆい袈裟を着、おいを背負い、金剛杖をつき、法螺ほら貝を鳴らし、山野に修行する。真言系・天台系・神道系の三つに大別され、修行の課程も峰入り・滝行・護摩行などが行われている。現在も吉野・大峰をはじめ、木曽御嶽山・山形の出羽三山・九州国東くにさきの六郷満山などに見ることができる。


【執筆者:清水秀浩】


行者(あんじゃ)