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臨終一念

提供: 新纂浄土宗大辞典

りんじゅういちねん/臨終一念

臨終の時、最後の最後に一遍南無阿弥陀仏」と称える念仏のこと。『往生要集』の臨終行儀に、「正しく終りに臨む時には、応に云うべし、仏子、知るやいなや。ただ今、即ちこれ最後の心なり。臨終の一念、百年の業にも勝る」(浄全一五・一一六上)とし、この一念を重要視している。また、道綽安楽集』では、臨終時の最後の一念は、後心がないので無後心ともいうとし、さらには、余念をまじえることがないので、無間心としている(浄全一・六八七下)。隆寛は、臨終一念業事成弁ごうじじょうべんすると主張して、この一念を肝要としている。


【参照項目】➡業成


【執筆者:和田典善】