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籠り

提供: 新纂浄土宗大辞典

こもり/籠り

心身を慎み、期間を設け特定の場所に泊まりこむこと。忌籠いみごもりと参籠さんろうの二つの形式がある。忌籠りには祭祀に向けての場合や、お産や月経にともなう不浄を慎むために籠る場合がある。神を迎える祭では心身の慎みが要求され、その慎みの徹底をはかるために籠りが行われた。参籠とは、ある目的の成就のために神仏に祈願し、神社や寺院に籠ることである。平安時代頃から盛んになり、三日・七日・百日というように日限を決めて籠り、最終日には神仏への祈願が成就することを期待して行われた。この目的は、豊作、病気平癒、雨乞いなどさまざまであり、その方法も地域的特色を反映して行われる。特別に道場を設け、期間を区切って不断念仏に励む別時念仏も、この参籠の一種とみることができる。また、籠りの際に、飲食をともにする例も多くみられる。柳田国男は、『日本の祭』の中で、祭は本来酒食をもって神をもてなす間、一同が侍座することであり、この酒食は清浄でなければならず、また共食にあずかる参列者も十分に清浄でなければならない。その慎みの完全な状態を、古くは物忌ものいみ、後には精進といい、この籠りこそが祭の本体であると述べている。


【参考】柳田国男『日本の祭』(弘文堂、一九四二)、同『分類祭祀習俗語彙』(角川書店、一九六三)、小口偉一・堀一郎監修『宗教学辞典』(東京大学出版会、一九七三)、福田アジオ他編『日本民俗大辞典』上(吉川弘文館、一九九九)


【参照項目】➡忌み参籠


【執筆者:髙瀬顕功】