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百八数珠

提供: 新纂浄土宗大辞典

ひゃくはちじゅず/百八数珠

一〇八顆の数珠数珠の基本であり、各宗で最も多く用いられる。『仏説木槵子もくげんし経』には「もし煩悩障、報障を滅せんと欲する者、まさに木槵子一百八を貫くべし」(正蔵一七・七二六上)と説き、常に持ち、三宝の名を唱えて百万遍を満つるものは百八煩悩を断除し涅槃に至ることができるとする。百八数珠数珠の基本形であり、浄土宗で用いる日課数珠も、当初は百八数珠を二連にした形式であり、これが現在の形になった。百八数珠は一母珠・四天珠・成珠からなり、そこに金鐶に紐をつけ、記子一〇顆と二〇顆をつけたものとなっている。通常服のときには、日課数珠または百八数珠を用いる。合掌するときは、二重または三重にし、日課数珠に準じる。


【資料】『陀羅尼集経』(正蔵一八・八〇二下)、『曼殊室利呪蔵中校量数珠功徳経』『仏説校量数珠功徳経』(共に正蔵一七・七二七上)、『金剛頂瑜伽念珠経』(同下


【参照項目】➡数珠


【執筆者:大澤亮我】