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滝宮の念仏踊

提供: 新纂浄土宗大辞典

たきみやのねんぶつおどり/滝宮の念仏踊

香川県綾歌郡綾川町滝宮の滝宮神社、滝宮天満宮で行われている念仏踊り。現在は、毎年八月二五日に行われている。仁和四年(八八八)、讃岐国で大旱魃がおこった際、国司であった菅原道真が城山の神に対して雨乞いの祈禱を行ったところ大雨が降り、それを喜んだ人々が牛頭天王社ごずてんのうしゃ(現・滝宮神社)で踊ったことに起源をもつ。時がくだり、讃岐へ流罪となった法然が、滝宮が再び旱魃で苦しんでいるのをみて、一週間念仏を称え雨乞いをし、満願の日に雨が降ったので、念仏功徳を喜んだ人々がそれまでの踊りと融合させて念仏を称えたのがこの念仏踊りの始まりといわれる。内容は、境内で踊り役が騎馬甲冑、長刀等を持ち、大きな団扇を持った下知げち役の指揮に従い、鉦、太鼓、笛やほら貝の音と周囲の「ナムアミドーヤ」の囃子言葉に合わせて踊るものである。滝宮念仏踊保存会が現在保護しており、昭和五二年(一九七七)に、国の重要無形民俗文化財として指定を受けた。


【参考】佛教大学民間念仏研究会編『民間念仏信仰の研究 資料編』(隆文館、一九六六)


【参照項目】➡念仏勧進の御影波乗りの御影


【執筆者:齋藤知明】