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浄土証心集

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどしょうしんしゅう/浄土証心集

三巻。清・卍蓮述。光緒元年(一八七五)の自序が伝わるため、この年の成立か。同年に記された呉鄭衡の序文によると、作者の卍蓮は深く天台教義に通じた天台僧で、晩年に浄土教に帰したという。本書では、末代における優れた修行法として浄土教を勧めている。上巻では、浄土縁起一心両土地応宜取捨・簡易不可思議・心土不二智者同往・念仏名無上深妙禅など二九項目をあげ、短文の形式で念仏法門の要点を説く。中巻では詩・対聯の形で娑婆世界の苦と極楽世界の楽を対比すると同時に、浄土教修行は無上深妙禅等であると讃歎している。下巻では「唯心念仏頌」「専持求生」などの偈頌によって禅浄一致の立場で浄土教称名念仏讃歎し、最後に礼讃などの儀式を説く。基本的に唯心浄土の立場に立つと同時に、心・仏・衆生の三者無差別を説くなど、本覚思想的傾向を有する。


【所収】続蔵六二


【執筆者:肖越】