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浄土宗史

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどしゅうし/浄土宗史

大島泰信著。大正三年(一九一四)浄土宗典刊行会刊。浄土宗の源流から明治に至るまでの本格的な通史。第一期開創時代、第二期持続時代、第三期大成時代、第四期改新時代に区分。第一期では三祖良忠までを扱い、第二期では良忠門下の分流、とくに良暁から聖冏聖聡に至る白旗派の確立およびその門下による発展を述べ、第三期では江戸時代の教団諸制度の解明に重点を置き、第四期では明治維新後の制度的改変、教育・布教を要説する。このうち著者がもっとも意を注いだのは、法度制規、統治機構、寺格・僧位、檀林教育など江戸時代の教団制度を詳述した第三期であり、本書が先行の類書と異なる最大の特色がここにある。その後の制度史的研究の礎石となった。昭和六年(一九三一)再版、同四七年復版。


【所収】浄全二〇


【執筆者:宇高良哲】