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東林十八高賢伝

提供: 新纂浄土宗大辞典

とうりんじゅうはちこうけんでん/東林十八高賢伝

一巻。『蓮社高賢伝』ともいう。著者不明。成立年次不詳。幾度もの修正増補を経て編纂されているが、本書の原形は東林寺に古くから伝承された作者不明の『十八賢伝』とされ、唐代中期ごろの成立とされている。白蓮社念仏結社を結んだとされる一八人の高賢(慧遠・劉遺民・雷次宗・周続之・宗柄・張野・張詮・慧永・道生・慧持・仏陀耶舎・仏駄跋陀羅・僧叡〔慧叡〕・曇順・曇恒・道炳・道敬・曇詵)の伝記を編纂したもの。陳舜兪の『廬山記』(正蔵五〇)に収録されている『十八高賢伝』は、原著である『十八賢伝』の文辞が稚拙で史実的にも誤りが多かったことを理由に、『宋史』や『高僧伝』によって補正されたものであり、現在、一巻本として流布している『東林十八高賢伝』はさらに幾度かの修正増補を経て編纂されたもの。本書は、志磐仏祖統紀』二六に編入されたものと同内容であり、『廬山記』所収本に比べ、「百二十三人伝」と「不入社諸賢伝」などが増補されている。


【所収】続浄一六、続蔵七八、『仏祖統紀』二六(正蔵四九)


【参考】松本文三郎「東林十八高賢伝の研究」(『大谷学報』八六、一九四二)


【執筆者:工藤量導】